MEMORANDUM CEDRETABRI

ARS LONGA VITA BREVIS

株式会社オプトを退職しました

2018年11月いっぱいで株式会社オプトを退職した。
……退職エントリ書くのに随分間が空いてしまった。

いつ入社したのか

2016年の1月。なので、オプトでは2年11ヶ月働いたことになるね。
僕が入社した時は、社内にエンジニアはいても「エンジニア組織」が存在しない時期で、ちょうど「これからエンジニア組織を作っていくぞ」という段階だった。

何をやっていたのか

Web の広告代理店なので、 Web 広告に関するシステムに手を入れたり作ったりしていた。
広告の効果測定ツールとか、データフィードの最適化ツールとか、そういう感じのもの。
使っていた技術としては、概ねサーバサイドが Scala 、フロントエンドは色々(古いものは CoffeeScript や AngularJS 、新しいものは TypeScript や React )だった。他にも RubyJavaPHP のプロダクトもあったけれど、僕は触っていない。
僕は主にサーバサイドとバッチとかを書いていたのだけど、時々フロントを触ったりもしていた。インフラは、少なくとも新しいものに関してはほぼ全てクラウドで、その設定とか操作とかをやることもあった。

上から下まで、割と色々と経験できて、とても良かったと思う。

どんな環境だったの?

上に書いたように、僕が入社した段階ではまだエンジニア組織を組成する段階で、エンジニア向け制度含めて諸々が何も決まっていない段階だった。
なので、いわゆる一般的な「エンジニア向け」制度とかは一切存在しない環境からスタートしたわけだけど、僕が在席している間に開発部の部長(現 CTO )を中心としたエンジニア勢で頑張って制度を整備していった(僕も微力ながら力添えできたと信じたい)。これは、会社側の経営陣や非エンジニア社員達の理解があったことも大きいと思う。
まず、入社から半年弱後の6月くらいにエンジニアは裁量労働制に移行した。移行したその日から、12時くらいに出社する人がたくさんいた(この頃は12時でも遅かったんだなぁ)。

それを嚆矢として、例えば「飲み物を好きなだけ飲みたい」とか「良い椅子じゃなきゃヤダ」とか「本買って」とかたくさん出てきた要望を、エンジニアが主体となって交渉して、制度を作って、整備するという流れができていった。「自らの手で自らの組織を改善していく」みたいな仕組みが作られていったわけだ。もちろん、何か制度作ったり環境を良くしたりといったことにはお金が必要となるわけで、それは降って湧いてきたりはせず、会社との交渉が必要だったのだけれど、その辺り、とても上手いことやっていたなぁと今では思う(というか、上に挙げた元部長現 CTO の並々ならぬ努力と粘り強さが功を奏した、といったところだろうか。本当にありがたい)。

このように、就業環境に関してはとても快適で、自由度が高いものだったと思う。それが、単に与えられたのではなくて、徐々に形作られていった過程を目撃しているので、有難味も一入だった。

それらを含めた就労環境や、現在の制度については、会社の公式ページや技術ブログに書いてあるようなので、そちらに説明を譲りたい。
僕が退職してから時間も経っていて、記憶が曖昧だったり制度が変わっていたりすると思うから。

Opt Technologies
Opt Technologies の評価制度について

どんなところが良かったの?

幾つか挙げていきたい。

自由度

圧倒的に高かった。
上で書いたように、裁量労働制で、ミーティングなどの約束を守り成果を出している限り、出勤と退勤の時間は自由だった。
17:55 に出勤して 18:00 に退勤したこともある(本当なんだ。まぁ家で仕事してたのだけど)。
あと、週に1回の完全リモート勤務と、好きなだけの部分リモート勤務(午前家で仕事して午後出社、とか)が認められていたので、そういうのも活用できた。
完全リモートは前日までに Slack などで周知必須だったけど、部分リモートはそういう制約もなかった。会議へのリモート参加とかで準備が必要な場合は、その面倒は見ないといけなかったけれど。

この完全リモート勤務の「週1回まで」というのはあくまで原則なので、妥当な理由があれば調整はきいた。僕自身は同僚と全く顔を合わせないで仕事することをあまり好まなかったけど、活用していた人はいた。

その他、開発環境など。
妥当性があれば利用する技術やツールは好きに選べた。妥当性がそれほど強くなくても、説得すればなんとかなるようなところがあったと思う。

技術好きな人が多い

純粋に色々な技術が好きな人が多かった。
あまり偏りもなく、純粋に数学や言語理論とかが好きな人もいれば、競技プログラミングが好きな人、インフラや IoT が好きな人、特定の言語が好きな人、フレームワークやライブラリが好きな人、フロントエンドヤクザ、設計手法や方法論が好きな人、チームビルディングやスクラムが好きな人、経営や起業に興味がある人など、人数はそれほど多くないのに興味は多岐に渡っていた。
社内勉強会とかでも色々なジャンルの、仕事に関係あったりなかったりする LT が毎回話されていたし、仕事終わりに机の周りや、社内にあるカフェや、あるいは社外の居酒屋や飯屋で集まって、そういう話を尽きず語ることが日常茶飯事だった。
何より良かったのは、そういう好きな分野、好きな対象がアチラコチラに向いていたにもかかわらず、お互いの主義主張をきちんと尊重するような空気があったことだと思う。いわゆる HRT がかなり高い水準で守られていたように思える。

競プロ部

これはかなり個人的な理由。僕はオプトの競プロ部がきっかけで競技プログラミングを初めた。
今のオプトの競プロ部にはそれなりの人数がいるのだけど、創設者でもある部長は ICPC の OB で、その方が毎週競プロ会を開き、問題やアルゴリズムの解説などを粘り強く行われた結果、着実に成長していったものだ。僕が競プロを知れたのもその人のおかげなので、本当に感謝する他ない。
2018年、2019年ともに、オプトは ICPC のスポンサーをしているわけだけど、そういうことができているのも、偏にその競プロ部部長の努力の賜物だと思う。

有給が多かった

これは、実は僕が無知でオプトを辞めた後に知ったのだけど、オプトの有給は(少なくとも Web 系では?)多い方みたい。
初年度、9月までの入社で15日付与、10月以降は10日付与、とかそんな感じ(月が間違ってたらごめん。気になる人は自分で調べてね)。
その後年度初めに、2年目が16日、3年目以降は毎年20日付く。
僕は1月入社だったので、最初に10日もらい、3ヶ月後の4月1日に16日増えた。オプトに入社するなら3月がおすすめということだね。
ついでに一応言っておくと、試用期間中(最初の3ヶ月間)も利用できる。

そして、これは僕の個人的な例なのだけど、あまり有給を使う方では無いので(あまり旅行したりしない)有給を余らせまくっていた。年を跨ぐ時20日しか持ち越せないわけだけど、そこで無駄にしないためにどうするか困るくらい。
上で書いたように2年11ヶ月しか勤めていないのだけれど、退職時には40日近い有給が残っていて、2ヶ月くらい有給消化に使うことになった。
有給の取得は、まぁ普通にできるような職場だったので、他の人は旅行とか行ってたみたい。いわゆる「リフレッシュ休暇」みたいな制度もあったから、長期旅行に行く人も多かった。僕はちょっと制度を活用できなくて損をしてしまったなぁ。

オプト辞めて他の会社に行った時、「え、これだけしかもらえないんだ」「え、試用期間中は使えないの?」と驚いてしまったよ……世間知らずは怖い。
まぁ世の中には初年度から20日もらえるような場所もあるみたいなので、あくまで相対的な話ではあるけれどね。

何で辞めたの?

良さそうなことばかり書いてるけど何で辞めたの? となると思う。
正直、ネガティブな理由はあまり無い。

  • toB の仕事の経験しかなかったので、 toC の仕事もやってみたかった
  • もっと別の、 Scala の強い人がたくさんいる環境で働いてみたかった
  • 面接受けたら内定もらった

あたりがメインの理由かな。

まぁ本当に「ネガティブな理由が全く無い」のかというと、それは流石に嘘になって、色々辛いところはあったのだけど、どんな会社にも多かれ少なかれ問題点というか、制度上の欠点や足りない部分はあると考えているので、それを殊更あげつらう意味は無いかな。